2013年4月24日水曜日

平均は曲者


平均という言葉は日常的に普通に使用されているがかなりの曲者である。
例えば平均寿命を考えてみる。
江戸初期の平均寿命は30歳ぐらいだと推定されている。平均寿命が50歳を超えたのはなんと戦後(1947年)の事である
平均寿命というとほとんどの人がその前後で死亡したと考えてしまうが
江戸初期の人々が30歳前後で、終戦直後の人々が50歳前後で死んだわけではない。
幼児、若年層の死亡率が高いのでこんな数字になってしまう訳である
七五三は死亡率の高い年齢を無事に過ごせた事を祝ったのである
信濃国湯舟沢村(現長野県)の江戸時代の資料によると51歳の平均余命が、
1675~1740年間 男性19.8歳 女性17.4歳
1741~1796年間 男性18.1歳 女性19.5歳
となっている (現代の平均余命)
これによると平均寿命30歳と言われている江戸初期でも51歳になった人の寿命は
平均70歳前後ということになり80歳の人がいても不思議ではないことになる。
平均という言葉はその全体像を歪める曲者である。

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