2011年4月25日月曜日

動的平衡 (diversity balance)


アリの社会では2割のアリは働かないそうである。(働いてないように見える)。そこでこの働かないアリを除いて働いていたアリだけにするとそのうちの2割のアリは同じように働かなくなるという話を聞いた。
効率だけを求めて社会を構成しても思い通りにはいかないという事である。
生物学者の福岡伸一は生命の定義に動的平衡(dynamic equilibrium)という概念を提示し、「生命とは動的平衡にある流れである」とした。
彼は動的平衡を多くの要素が絶え間なく動き、連携し、変化しながら、互いに律しあい、全体として均衡、恒常性を維持し、干渉やかく乱に対して復元する力を発揮する仕組とし、生命、自然、環境はすべて動的な平衡状態にあるといっている
役に立っていないように見えても全体のシステムの中では見えない役割を演じている。ゆえにそれを取り除いてもシステムはそれを復活させるように動くわけだ
現代社会はわかりやすい効率ばかりを追い求め、非効率的なものを排除しようとしてきたが動的平衡の力はそれを戻そうとしそれにより様々なひずみが生じているではないだろうか?
単一精鋭の社会は弱いのである。多様性が絡み合い、変化している状態が外圧にも強くバランスのとれたシステムを維持できるのだ

タイトルのdiversity balance(多様性バランス)は私の造語です