2015年8月13日木曜日

ゼロ・オプションで行こう! (MIYUKI PLAZA)


ゼロ・オプションとは何も作らないという事である。
2020東京オリンピックではさまざまな問題が噴出しているがゼロ・オプションという選択が実現すればすばらしい事だと思う。当ブログでも何度もいっているが成長社会から成熟社会へのシフトを考えれば

今ある資産を工夫して活用する

というゼロ・オプションのコンセプトは成熟社会を象徴するものだ
ゼロ・オプションについて河野太郎氏はブログで提案しているが要約すると
  •  陸上競技場(3万人):駒沢競技場を改修or日産スタジアム
  •  サッカースタジアム(5万人): 味の素スタジアム、さいたまスタジアム、日産スタジアム
  •  開会式・閉会式  :スタジアムでやらない
となる

特に開会式・閉会式 をスタジアムでやらないというのはすばらしいアイデアだと思う。
そもそも最近のオリンピックの 開会式・閉会式は巨額なお金をかけた壮大な舞台演劇のようでちょっとやりすぎじゃないかと思うのだ。もっとシンプルでいい。
例えば東京駅前から皇居に向かう行幸通りをセレモニイー会場として活用する。ここには日本の象徴である皇居、近代日本のシンボルとなる東京駅、そして最先端のオフィスビルがありまさしく日本を表現した舞台となる。通りに面したオフィスビルの窓際はプレミアムシートになるだろう。
通りには仮設の聖火台を設け、行進、選手宣誓、着火の儀式、プロジェクションマッッピングによる演出を行うがマスゲームのような事はしない。
オリンピック期間中は聖火の廻りに屋台村やパブリックビューイング施設を設置したり盆踊りなどで楽しめるようにすればいい。
 行幸通りは「ぎょうこうどおり」が正式名称だが行幸は「みゆき」とも読むのでこの仮設広場を「MIYUKI PLAZA」としたい


MIYUKI PLAZA (東京駅から皇居方面を望む)

サッカースタジアムはワールドカップ対応で8万人規模がFIFAの規程で必要だといわれているが、日本へのワールドカップ誘致は早くても19年先らしい。そんな先にFIFAが8万人にこだわるかどうかは甚だ疑問である。IT技術の進化によって会場にいかなくても今からでは想像もできないような臨場感が得られるシステムが登場してもなんら不思議ではないのだ。

となると国立競技状跡地はどうすればよいのか?
一般の人が楽しめるスポーツ公園として整備するのもよいが、いっそのこと市民農園にしたらどだろうか?スポーツの基礎は「食」である。あのザハ案が紆余屈折して畑になったら面白い。


代々木に市民農園?!



後日記載
2024パリオリンピックはセーヌ川で開会式を行う計画らしい。



2015年8月11日火曜日

救命ボートのない大型客船の出航

川内原発再稼働
不沈といわれたタイタニックは2212名の乗員、乗客に対して救命ボートは1200名分しかなかった。沈まない船に救命ボートはいらないという理屈だ。その結果1502名が海で凍死した。
川内原発が避難計画が不十分であるが今夜稼働するらしい。世界で一番厳しい基準??をクリアーした原発なので避難計画が不十分でもいいんだという理屈である。

タイタニックとまったく同じだ。

救命ボートが不十分だったタイタニック
避難計画が不十分な川内原発
タイタニックと違うのはこの船には周辺住民が強制的に乗船させられるということである。その数は数千人なのか数万人なのかあるいは数百万人になるかは不明だが強制的であることに変わりはない。船会社が巨額な資金を投入して作ったこの船は原子力船で燃費がいい。しかし同時に捨てる事ができないゴミがでる。それでも他の燃費の悪い船よりこの船をどうしても出航させたいのである。



「追記」
この時代の救命ボートは全員が一度に乗るというものではなく、近くの船への避難のためのものと考えられていたらしい。ピストン輸送が前提という事である。船舶輸送がメインであった時代なので航路には近くに何隻もの船があり共助という考え方が成り立ったようである。しかし実際には事故が深夜で最寄りの船舶には遭難信号が人的ミスで届かず貴重な人名が失われた。その後救命ボードは乗員人数分必要となった。


2015年8月9日日曜日

時差オリンピックのすすめ


2015年 7/27-8/8 日気温変化(平均値)
グラフは2015年 7/27-8/8 の一時間ごとの日気温変化の平均値である。
これによると気温28度以下(赤ライン)になる時間は午後11時から翌朝6時半までの7時間半
気温30度以下であれば午後6時半から翌8時半の14時間になる。
室内競技も含めオリンピックはこの時間帯に行えばよいと思う。

 なにも灼熱の日中に行う必要はない。

オリンピック期間は公共交通も24時間運行して 対応する。
自然光が必要な競技であれば朝4時半頃から可能である。
オリンピックのお祭り性という意味でも夜通し行うのは非日常的で楽しいのではないだろうか?
時差オリンピックはさらにメリットがある。欧米へのゴールデンタイム対応だ!
そもそもこの時期にオリンピックを行うのは欧米のスポーツスケージュールの対応が主な理由であるが日本時間の午後11時から午前6時半はニューヨークの午前10時~午後5時半、ロンドンなら午後3時から午後10時30分になる。

2015年8月5日水曜日

社会保険で振り回されたお話

私は一人会社を経営している。建設関係の設計の仕事であるが2002年に設立した
その時、某国民健康保険組合の方が事務所に訪れ社会保険、厚生年金に関する説明があり会社なので加入する事にした。
それ以前はサラリーマンだったのでこの分野についてはあまり知識もなかったが個人であれば、国民年金、国民健康保険のセット、法人であれば厚生年金、社会保険のセットで加入しなくてはならない程度は知っていた。
保険組合の健康保険は入院時の給付金や健康診断などもあり内容は充実していたが保険料は個人の国民健康保険に比較すると割高に感じた。今年から息子(大学生23歳)の保険料が月8000円程度値上がりすると知り他の保険を検討した。
[この組合保険は23歳以上でも女性なら保険料の値上げがない。参考のため理由を聞いたら女性は23歳以上でも働かず家にいる(花嫁修業?)のは一般的だからとの事。(なんと古典的な発想!)]
そんな時、法人でも国民健康保険に入っている人がいる事を知り保険料試算すると私の場合激減する事がわかったのだ。
そこで区役所に行き

「法人でも国民健康保険に加入できますか?」

 と窓口聞くと

 「入れます。そのような人もいます。」

 と言われた。それなら国民健康保険に移行しようと思い保険組合の方に脱会して国保に加入するつもりだと電話すると

「法律違反になります。」


と言われた。
そこで再度区役所に電話で尋ねるとまた

「加入することは可能です。」

と言われ頭が混乱してしまった。
法律違反でも役所が認める?
そこでまたも保険組合の窓口に行き脱会して国保に入るつもりだというと何事もなかったように手続きの方法を教えてくれたのだ。(個人事業主を勘違いしたのかも?)
なんだ国保に移れるだと思ったら直後保険組合の担当者から電話があり

「国保には移れません」

と言われた(窓口の人とは別の人)そして国保でなくて

「協会けんぽ」なら可能です

といわれた。私はそこで「協会けんぽ」というものを初めて知った訳である。
法人は何らかの保険組合に入るものだと思っていたがそもそも保険組合は大、中企業を中心とした組合であり「協会けんぽ」とは自前で健保組合を持てない中小企業の従業員やその家族を対象とした保険で加入する事業所の約8割が従業員10人未満の中小・零細企業とのことであった。私のような個人会社は初めから「協会けんぽ」にするべきであったのだ。
おかげで保険料は国保なみに激減した。
会社の規模のわりにはリッチな社会保険に加入していたわけで設立時の

知識不足を悔やむ。


加入者数(2013)                     ○法人可 ●法人不可

○全国健康保険協会「協会けんぽ」3,500万人
○健康保険組合(1443組合) 3,000万人
○国民健康保険組合(165組合)( 300万人)
●国民健康保険3,400万人
                          
保険組合が私のような一人会社も組合に加入させたのは営業であるから仕方がないが区役所が「法人でも国保に入れますよ」といったのは今だに不可解である。
しかし法人でも国民健康保険、国民年金に加入している人がいるのは事実のようだ。
法律違反になるが罰則があっても適用された例はなく、社会保険、厚生年金の場合、会社は社員が支払うべき保険料と同額の保険料を支払うことになるのでそれを避けるためらしい。







2015年8月4日火曜日

がんばれ参議院!


安全保障関連法案が参議院で審議されている。
与党は
  1. 周辺環境が変化しているので安全保障関連法も時代に対応できるものにする必要がある。
  2. そのために集団的自衛権が必要だ。
  3. 集団的自衛権は憲法違反ではないと仲間内で決めたので問題ない

といいたいらしい。私は
  1. に関しては同感。
  2. に関しては個別的自衛権、警察権の拡大で対応できる
  3. は論外
という立場である
集団的自衛権は国連加盟国に認められているが日本では憲法により
保持はできるが行使できない。というのが今までの見解だ。
しかし今回、集団的自衛権は合憲で50年以上前の米軍の駐留の合憲性について審議した最高裁判決(砂川事件)が根拠だといっている。しかし砂川事件の判決では自衛権について認めているが歴代の政府解釈は判決における自衛権とは日本の個別的自衛権とアメリカの集団的自衛権について述べたものとされていた。しかし今回政府はこの自衛権には集団的自衛権も含まれると主張しだし憲法違反ではないとしたのだ。
この判例を読んでみても憲法で集団的自衛権が認められているなどとはどこにも書いてない
おもいしろいのは安全保障にかかわるような案件が違憲かどうかは最高裁で判断するのではなく

「主権を有する国民の政治的批判に委ねらるべきもの」 

(判例文p4)といっている点である。→最高裁判例全文(全52ページ、6ページ以降は各裁判官の個別意見)
政府は違法判断が多い憲法学者の意見より最高裁の判決が優先されるといっているが、その最高裁の判決の中で「国民の批判にゆだねる」といっているのである。 

集団的自衛権とは親密な他国が某国に攻撃された場合、自国が攻撃されてなくても、某国を攻撃できるというものである。
たとえばアメリカがロシアに攻撃されたら日本はロシアを攻撃してもよいという事になる
これは

自衛隊がアメリカの下請軍隊になる。


危険があるという事である
三要件があるからそのような事は絶対にないというだろうが、政府が国会で呪文のように唱えている三要件はあいまいで意味がない
なぜ、そこまで集団的自衛権にこだわるのか?今日の周辺事態への危惧は個別的自衛権、警察権の拡大で対応可能なのだ。
国連加盟国に認められている集団的自衛権を行使できる「普通の国」になり国際的な立場を強固にしたい という事なのであろうか?
どうしても集団的自衛権にこだわるなら憲法改正しかないのである。

国民の関心も高く国会前は連日のように抗議の声が叫ばれている。参議院が否決しても衆議院で2/3の賛成があれば可決される。今の与党は2/3以上なのでこのままであれば可決ということになるが私は最後に期待していることがある

公明党議員の正義だ。


世論の反対ムードがエスカレートすれば支持母体に反対意見が多い微妙な立場の公明党議員にかなりの圧力がかかる事が考えられる。公明党の衆議院議員35名の内10人が反対すれば賛成票が2/3以下となり否決できる。
そのためにはまず参議院でこの法案の問題点を国民に明示して違憲であるということを最大限にアピールしてほしい。さらに終戦の日の天皇陛下のお言葉が大きな力となるかもしれない。60日以内に採決に持ち込まなければ否決とみなされる。

参議院での否決、天皇のお言葉などが国民を動かし大きなうねりとなる。その中で衆議院での採決であれば奇跡が起きるかもしれない。

[8/15追記]
今日、全国戦没者追悼式において天皇陛下のお言葉があった
1995年以来20年間ほぼ同じであったが今年は変わった。一部抜粋すると

今年
70年、戦争による荒廃からの復興、発展に向け、払われた国民からの弛みない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支えられ我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。
戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき
感慨は今なお尽きることがありません。

去年
69年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時を忍ぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。

  • 国民→平和の存続を切望する国民
  • 苦難に満ちた往時→長い期間における国民の尊い歩み
という2つの変化に注目したい 。
「平和を切望する国民の70年間の努力が尊い」と述べらているのだ。

「国民が尊守してきた平和憲法を政府は守りなさい」

と私には聞こえる。


「どこでも事務所」



ドラフター
1985年(バック・トゥ・ザ・フューチャー公開時)頃の設計の仕事ではコンピュータはなく、電卓とワープロだけであった。そのためドラフターと呼ばれる製図台が必須であった。製図台には平行線と直角を書くための装置がセットされていた。図面はトレッシングペーパー(半透明の紙)に鉛 筆で作図する。その時テンプレートという文字を書くプレートがあった数字と英語の溝の切れ込みがある薄い板でその溝にそって文字を書くのである。ひらが な、漢字はないので手書きになる。
書きあがった図面は原図とよばれ原図のコピーが必要な場合は第二原図といって図面業者の方に依頼する。図面業者はこのほか図面製本なども行った(余った用紙でメモ帳などもサービスで作ってくれた。)
原図から紙にコピーするときは感光紙と原図を合わせて青焼き機というものに挿入する。A0ぐらいまでは印刷可能だが一枚づつ手差しで行う必要がある。この 作業は「焼く」と呼ばれたが「この原図をB1で焼いてきて!」と新人に頼んだら地下1階で原図を燃やした。というジョークがまことしやかに語られた。青焼 きは青系のモノトーン印刷なので色を付ける時はマーカーまたは色鉛筆で塗り絵のようにな作業を行う。むらなく色を塗るには技術が必要であった。またマー カーなどはすぐに乾いて使えなくなってしまう事がよくあった。
マーカー
青焼き機
青焼図面

メーカーの製品情報などはカタログを本棚に詰め込んだ。カタログを更新する作業が滞りがちで10年以上前に倒産したメーカーのカタログがスペースを占領し ていることもよくある。参考図書や参考写真の保管も膨大なスペースが必要であった。しかも保管した写真が活用される確率は限りなく低かった。
撮りためた写真

プラニメーター

専門書、カタログ棚
積算作業では図面から定規(三角スケール:通称サンスケ)で数量を拾う。面積は三斜といって図りたい面積を三角形に分けて算出したりした。のちにプラニメーターと呼ばれる装置が導入された。これは面積を図りたいラインにそって動かすと面積が自動的に算出されるという優れものだった。
計算は電卓のみなのでシュミレーション的な事は不可能であった。たとえば工事費の積算はまず基準単価(作業員の日当や材料単価)を設定してからそれをベースに各工種の金額を算出して最終的に全体工事費だすのであるが基準単価を変更することはやり直しを意味する。
契約書や仕様書などはワープロを利用したがこの頃はまだワープロが使われだした頃でまだ写植でも原稿を作成していた 。
通信手段は固定電話とFAXだけだった。書類を送るときは郵送である。図面は筒状の図面ケースに入れて持ち運んだ。
この時代は設計業務を行うには 製図台、青焼き機、製図道具、文具(マーカー他)、製本図面置場、カタログ、図書、写真用棚、電話、FAX、コピー機、打合、接客スペースなどそれなりの空間と道具、機械および専門業者が必須だったのである。

しかし現在ではこれらすべて、いやそれ以上のことがパソコンとスマホにネット環境があれば可能となった。
ドラフター、色塗りはパソコンのCAD、ペイントソフト、3Dソフトで描けるし、PDFデータとして出力すればプリントアウトの必要はない。図面を届ける時もメールにPDF添付でOK。
プレゼンはパワポ+プロジェクターが一般的になったので大きな図面をプリントして持ち運ぶ必要もない。
カタログはネットで最新版が閲覧、ダウンロードできる。書籍や写真もデジタル化してクラウドに保存。参考写真なども自分で撮りためる必要もなくネットで検 索すればイメージ写真などは選び放題である。連絡はメールがメインだが電話は無視できないのでスマホ(携帯)は必要である。スマホは電話以外にもカメラや 録音、録画などのツールとして有効であり、アプリなどにも優れものある。
(花の写真を撮ると植物名をリストアップしるアプリがあり重宝している)
FAXもたまに必要になるがFAX受信、送信もパソコンで可能である。
(私はDFAXで受信し、MYFAXで送信している)
計算(積算)、文書作成などはパソコンが最も得意とする分野である。

これだけでOK

 
 WIFIルーター
パソコン

スマホ(携帯)


これで図書館でも、カフェでも、コンビニでも、公園のベンチ、車の中でも仕事ができる。
遠方の人ともネットで打合せも可能である。
このようにインターネットを駆使して場所にとらわれないで仕事をする人をノマドワーカー(ノマドは遊牧民の意味)という。

事務所を片手で持ち運んでいるような感覚、

「どこでも事務所」

といってもいいかもしれない。
すごい時代になったものだ。