2012年2月2日木曜日

正当にこわがる (放射線被曝)


放射能物質は見えないほど小さいが例えれば真っ赤に燃えた炭の粒のようなものだと思う
その粒の大きさは、チェルノブイリを例に取ると約0.3-1.0ミクロン
これはスギ花粉(30~40ミクロン)の1/50~1/100程度の大きさとなる
この炭は燃え続ける消えない炭である。そしてその炎は熱さを感じないので存在がまったくわからない
見えない、消えない、熱くない炎は人体の染色体を切断する
染色体が自己回復機能を超えた損傷をうけると異常細胞(ガン)を増幅させてしまう
細胞分裂が活発な乳幼児は影響を受ける確立が高い
シーベルトはこの炎から受ける熱量の単位である(ベクレルはこの炭粒の量の単位)
外部被爆は焚き火のようにこの炎の熱量を体が受けている状態
内部被爆はこの炭の粉が体に入ってしまい特定の部位に取り込まれ長期的にその炎の熱を受け続ける状態である
被曝量は年間1ミリシーベルト以下が良いとされているがこれを時間当たりに換算すると 0.11μsv/hとなる
ではどれほどの放射線を被曝すると健康に影響があるのか?
はっきりしたことはわからないらしいが7svで100%、4svで50%、2svで5%死亡すると言われている
400msvで多くの人が白血病になるというデータがある
また広島、長崎の被爆者のデータから、200msv以上の被曝については被曝線量と発ガンの確率が比例していることが分かっている
0.5μsv/hの場所に内部被曝を考慮しないければ91年間住んでいると400msvとなり白血病になるという計算になるが
これらのデータは短い時間で被曝した場合なので長期間で被曝した場合は人体の修復機能が働き白血病になる危険性は少ないらしい。
放射線を恐れて震災の瓦礫受入をタバコを吸いながら声高に拒否をしているオヤジがいたがタバコの危険性についても正当にこわがったほうがよい。


ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。 

(小爆発二件 寺田寅彦より)