2016年12月15日木曜日

嫌われたミサゴ (VTOL機の可能性)





http://www.asahi.com/eco/gallery/110410_wild_animals/images/006.jpg

先日オスプレイが沖縄で不時着事故を起こした。幸い犠牲者はいないようだ。
不時着ではなく墜落だという人もいる。(空中給油練習時のプロペラ破損が原因との事)
沖縄の基地問題でオスプレイは危険な航空機とされ非難の的になっている。
しかしオスプレイの事故率は軍用機の中では低い方というデータ(2012)もある。
 事故率というのはいろいろな見方があると思うが私はオスプレイが特別事故率の大きな軍用機とは思えない。
なぜ危険な航空機というレッテルが貼られたのか?
一つの大きな理由が垂直離着陸機(VTOL)という聞きなれない航空機に対する懐疑的なイメージがあるのだろう。(VTOL: Vertical Take-Off and Landing)
あんな分けのわからない危なっかしいものが付近を飛ぶなんて無謀だ!といった直感的な感情である。
また*オートローテーションが出来ないとよく指摘されるが、オートローテーションは可能だがする必要がないのである。
(*ヘリコプターのローターをエンジンを使わず抗力で自然に回転させその揚力で降下スピードを抑制して着陸する事。)

理由は双発エンジンなので片方がトラブっても残った1基で両方のプロペラを回転させることができるためである。(シャフトで繋がっている)これによりオートローテーションより遥かに安全に着陸できる。
また飛行中のほとんど(95%)が水平飛行のため万が一両方のエンジンが同時にトラブっても滑空により着陸可能だ。
オートローテーションが必要になるのは両方のエンジンが垂直飛行中にトラブる時である。
仮に1000時間に1度トラブルが起きるようなエンジン(こんなエンジンは許されないが)が2基同時に垂直飛行中にトラブル確率は二千万時間に一度となる。 (1日10時間飛行して5555年に1回)
 その5555年に1回の不幸が起きた時に初めてオートローテーションが必要になる。
エンジンが止まったらオートローテーションしか選択肢がない軽量の単発ヘリコプターの場合はオートローテーションで安全に着陸可能である。重量のある双発ヘリコプターではオートローテーションによる着陸で損傷を受ける確率が高い。オスプレイも重量のあるヘリコプターと同じなので無傷で着陸することが難しいのは事実であるが前記のように使う確率は限りなく0である。(このあたりは下記サイトで詳しく書かれている)

ここでVTOL機の可能性について考えてみたい。
私は飛行機が好きでたまにパソコンでフライトシュミレーターに没頭している。小学生の頃の夢はパイロットであった。その頃、ハリヤーという垂直離着陸機があることを知って興奮してプラモデルを買った記憶がある。
ハリアーは垂直離着陸可能なジェット戦闘機で離陸時にジェットの噴射口を下に向け垂直に離陸し空中でジェット口を後方に向けて前進する。ジェット機が垂直に離陸する映像に興奮した。


通常ジェット機は翼の揚力を利用して離陸する。その揚力を得るためにジェットで加速する
ハリアーは揚力を利用しないで ジェットのみで力づくで離陸するため離陸時の燃料消費が非常に大きい。軍事目的により開発された航空機で現役引退したようだが事故率は高かったようだ。
オスプレイはジェット機ではなくプロペラ機で離陸時はヘリコプタ―のように翼を回転させて揚力を得て離陸し上空でプロペラを前方に傾け通常のプロペラ機のようにプロペラと翼で飛行する。
ようするにヘリコプターとプロペラ機のハイブリッド航空機である。
オスプレイも軍事目的により開発された航空機であるがこのVTOL機の可能性は大きい

熊本地震の被災地にオスプレイが派遣されたことをパフォーマンスだと非難する声もあるが
VTOL機の活躍できるよい機会であったと思う
災害時の滑走路を確保できない場所への人員物資輸送以外では環境への負荷低減が考えられる
滑走路を造るための大規模な環境破壊が低減できるのである。また僻地の航空路確保も期待できる。小笠原諸島などは滑走路建設ができず現状船便のみだがVTOL機になればヘリポート程度となり定期便が運行できるかもしれない。
ちなみにハリアーの名は猛禽類であるチュウヒ、オスプレイはミサゴである。
ハクチョウやツル、カワウなど助走して飛び立つイメージがあるが
猛禽類は助走なしで飛び立つイメージからのネーミングだろうか?


すっかり嫌われてしまったミサゴだが
VTOL機には大きな可能性があると思うのである



https://youtu.be/YKC1HzcWZ5s

AW609(民間版オスプレイ)


参考HP
防衛省資料よりオスプレイのオートローテーション機能に付いて結論

FAAとオートローテーション



2016年12月13日火曜日

観戦革命(技術遺産)


 VRが話題になっている。液晶モニター付のゴーグル(HMD)で映像を見るのだが頭の動きに合わせて映像の向きも変わる。要するにその場にいて廻りを見渡すような感覚になる。
専用のHMDは高価であるが最近はスマホを利用したHMDがあり安価に手に入るし数百円で自作も可能だ。
私も先日2千円台で購入しVR体験をしてみた。専用のカメラで撮影した映像をVR処理した映像などがアプリで公開されている
youtubeなどでは動画で見渡すことができる映像がUPされている。これだとまさにその場に参加しているような感じになる。しかしスマホを利用したHMDでは解像度が低く画像が荒いのでハイビジョンのような画質ではない
HMDにこだわらなければyoutubeなどにUPされている360°映像をパソコンのディスプレイで直接見ることもできる。マウスを自分の見たい方向に動かすことで360°映像が楽しめる。この方がスマホのHMDよりきれいな映像で見ることができるだろう(臨場感はHMDが勝る)
 画期的なのは今までのように一方的に流される映像をただ受けるのではなく自分から求めることが出来るということだ。
そしてこの360°のVR映像をライブで配信することも可能となっている。
これによりコンサートやスポーツ観戦、は劇的に変化する可能性がある。
もちろん現地で観戦する臨場感にはかなわないがテレビ観戦よりははるかに臨場感が味わえる。
有料で配信することでかなりの収益が期待できる
ライブ配信カメラを数か所設置して場所のランクにより配信料を差別化するこもできるだろう。
仮にその席のチケット代の1割を配信料とすれば多くの人が利用すると思う
オリンピックのためだけに無駄な観客席を何万席もつくり建築費を増大させるよりはるかに安価に何万席分以上の効果が得られると思うのだが。
競技に限らず東京ツアーなどをVRで提供することも可能だ。
ハード(箱物)だけがレガシーではない。ソフト(技術)が時代を変えるレガシーにもなり得る



Discovery VR Atlas: Italy (360 Video)

NewYorkでドライブ?


F1の(後部座席?)の乗る!

スカイダイビングに挑戦




STAR WARS 360 VR - Hunting of the Fallen




VR映像をライブで配信