2015年7月17日金曜日

ターニングポイント2020

2020年のオリンピックを1964年のオリンピックのような経済成長の起爆剤とし
もう一度経済大国日本を復活させよう!といった期待を持っている人が少なからずいるようである
それは下記のオリンピック招致委員会が2012年 に発表した公式メッセージでも推測できる

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オリンピック・パラリンピックは夢をくれる。
そして力をくれる。
経済に力をくれる。
仕事をつくる。
それが未来をつくる。
そして世界の意識をニッポンにつれてきてくれる。
今、それがニッポンには必要だ。
2020年までにあらゆるジャンルのニッポンを復活させるために。
(中略)
このままだとこの国は世界から忘れられてしまうかもしれない。
今何かをしなければ、
この国の未来や子供たちの自信を奪うことになるかもしれない。
誇るべきことを誇るために、
勝つべきものを勝ちとろう。
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かなり時代をはき違えているのではないだろうか
確かに1964年のオリンピックは経済成長国日本を世界にアピールするオリンピックであったが
2020年のオリンピックはそうではない!

日本が成熟社会という新たな時代へシフトするターニングポイント

であることを世界にアピールすべきオリンピックなのである
IOCも経済的負担の少ないオリンピックを推奨している。
それにもかかわらず2520億円という途方もない金額のメインスタジアムを建設しようとしている
組織委員会会長も「りっぱなスタジアムを造らないと世界に笑われる、メンツがたたない」などどいった時代錯誤の発言を聞いていると本当に情けなくなる。
ピカピカヌメヌメの巨大建造物はやめて日本建築のルーツである木材で作っても面白いと思うのだが...(http://natulogy.com/topics/7161/  )

http://natulogy.com/topics/7161/


と思っていたら先ほどメインスタジアム計画白紙撤回という速報があった。
とりあえずホッとしている。

2015/12/22 追記
白紙撤回後、再度コンペが行われ隈研吾氏のデザインが選定された。
「木と緑のスタジアム」がコンセプトで多くの木材が活用された設計で成熟社会にふさわしいデザインだと思う。
木と緑のスタジアム(隈研吾)
 伊藤豊雄氏もコンペに参加していてこちらも神社の御柱がスタジアムを取り囲むようなデザインでふんだんに木材を活用していてよかった。
伊藤氏は前回のコンペにも参加し、その後既存競技場のリノベーション案なども提案し積極的に関わっていただけにちょっと残念でもある。

[追記20181227]
以下に大変興味深い記事があった。
 
抜粋
これからの東京は、小さく幸せにしぼむべき
日本は世界に先駆けて少子高齢社会を突き進んでいますよね。少子高齢社会における幸せのモデルを世界に見せることができれば、1964年のイケイケだった頃の日本とはまったく違う、新しい分野のリーダーとして生まれ変わった姿を感じてもらえるんじゃないかと。日本の伝統的な社会の在り方を見ると、限られた国土や資源の中で小さな幸せを求めていくことで日本文化は洗練されてきたわけです。だからむしろ日本にはそうした社会の姿の方が向いているんじゃないかなと僕は思うんですよね。