2015年8月4日火曜日

がんばれ参議院!


安全保障関連法案が参議院で審議されている。
与党は
  1. 周辺環境が変化しているので安全保障関連法も時代に対応できるものにする必要がある。
  2. そのために集団的自衛権が必要だ。
  3. 集団的自衛権は憲法違反ではないと仲間内で決めたので問題ない

といいたいらしい。私は
  1. に関しては同感。
  2. に関しては個別的自衛権、警察権の拡大で対応できる
  3. は論外
という立場である
集団的自衛権は国連加盟国に認められているが日本では憲法により
保持はできるが行使できない。というのが今までの見解だ。
しかし今回、集団的自衛権は合憲で50年以上前の米軍の駐留の合憲性について審議した最高裁判決(砂川事件)が根拠だといっている。しかし砂川事件の判決では自衛権について認めているが歴代の政府解釈は判決における自衛権とは日本の個別的自衛権とアメリカの集団的自衛権について述べたものとされていた。しかし今回政府はこの自衛権には集団的自衛権も含まれると主張しだし憲法違反ではないとしたのだ。
この判例を読んでみても憲法で集団的自衛権が認められているなどとはどこにも書いてない
おもいしろいのは安全保障にかかわるような案件が違憲かどうかは最高裁で判断するのではなく

「主権を有する国民の政治的批判に委ねらるべきもの」 

(判例文p4)といっている点である。→最高裁判例全文(全52ページ、6ページ以降は各裁判官の個別意見)
政府は違法判断が多い憲法学者の意見より最高裁の判決が優先されるといっているが、その最高裁の判決の中で「国民の批判にゆだねる」といっているのである。 

集団的自衛権とは親密な他国が某国に攻撃された場合、自国が攻撃されてなくても、某国を攻撃できるというものである。
たとえばアメリカがロシアに攻撃されたら日本はロシアを攻撃してもよいという事になる
これは

自衛隊がアメリカの下請軍隊になる。


危険があるという事である
三要件があるからそのような事は絶対にないというだろうが、政府が国会で呪文のように唱えている三要件はあいまいで意味がない
なぜ、そこまで集団的自衛権にこだわるのか?今日の周辺事態への危惧は個別的自衛権、警察権の拡大で対応可能なのだ。
国連加盟国に認められている集団的自衛権を行使できる「普通の国」になり国際的な立場を強固にしたい という事なのであろうか?
どうしても集団的自衛権にこだわるなら憲法改正しかないのである。

国民の関心も高く国会前は連日のように抗議の声が叫ばれている。参議院が否決しても衆議院で2/3の賛成があれば可決される。今の与党は2/3以上なのでこのままであれば可決ということになるが私は最後に期待していることがある

公明党議員の正義だ。


世論の反対ムードがエスカレートすれば支持母体に反対意見が多い微妙な立場の公明党議員にかなりの圧力がかかる事が考えられる。公明党の衆議院議員35名の内10人が反対すれば賛成票が2/3以下となり否決できる。
そのためにはまず参議院でこの法案の問題点を国民に明示して違憲であるということを最大限にアピールしてほしい。さらに終戦の日の天皇陛下のお言葉が大きな力となるかもしれない。60日以内に採決に持ち込まなければ否決とみなされる。

参議院での否決、天皇のお言葉などが国民を動かし大きなうねりとなる。その中で衆議院での採決であれば奇跡が起きるかもしれない。

[8/15追記]
今日、全国戦没者追悼式において天皇陛下のお言葉があった
1995年以来20年間ほぼ同じであったが今年は変わった。一部抜粋すると

今年
70年、戦争による荒廃からの復興、発展に向け、払われた国民からの弛みない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支えられ我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。
戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき
感慨は今なお尽きることがありません。

去年
69年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時を忍ぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。

  • 国民→平和の存続を切望する国民
  • 苦難に満ちた往時→長い期間における国民の尊い歩み
という2つの変化に注目したい 。
「平和を切望する国民の70年間の努力が尊い」と述べらているのだ。

「国民が尊守してきた平和憲法を政府は守りなさい」

と私には聞こえる。


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