2026年1月20日火曜日

お役御免 (選挙カー)

選挙になると、決まって朝八時から夜八時まで、候補者名を大音量で連呼する選挙カーが街を巡回する。おかげで名前だけは嫌というほど覚えるが、
その人が何考え、何を実現したいのかは、残念ながら一向に分からない。


選挙カーでは政策を語ってはいけないらしい。許されているのは名前の連呼と、せいぜい「よろしくお願いします」という挨拶程度である。これでは選挙というより、記憶力テストか早口言葉の練習に近い。民主主義の高度な意思決定が、なぜこの方法に託されているのか不思議でならない。


しかもこの活動は、日本独特のものだという。海外ではほとんど見られないと聞くと、「なぜ日本だけがこの奇妙な文化を守り続けているのか」と、少し悲しい気持ちにすらなる。


今や候補者の政策や実績は、インターネットや紙媒体でいくらでも確認できる時代である。それでも選挙カーが走り続けるのは、「効果があるから」というより、「昔からやっているから」「やらないと不安だから」という理由が大きいのではないか。誰もが疑問を感じつつ、誰も止められない。実に日本的な光景である。


私は毎回投票には行くが、選挙カーの音を聞いて投票先を決めたことは一度もない。むしろ、「静かにしてほしい」という感情の方が強く記憶に残る。


候補者の名前を覚えさせることより、有権者に考えさせることの方が、選挙には重要なはずだ。選挙カーがその役割を果たしていないのであれば、そろそろ静かに、お役御免となってもよいのではなだろうか。 



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